若者の貧困

中村淳彦「東京貧困女子」読み終わりました。

非常にやり切れない気持ちでいっぱいです。

迂闊なことに、予て若者の貧困は耳にしていましたが、

正直ここまで深刻だとは恥ずかしながら知りませんでした。

受験有名校から東大の大学院まで出た女子学生が、

親からの仕送りがなくなって、

奨学金の月額10蔓延とバイトでは追っつかず、

結局、風俗にまで沈んでいく話とか、

京大まで進んだのはいいものの、やはり累積する奨学金返済に行き詰ってAVの世界に入っていく話など、

始めは「話盛りすぎ?」と思って読んでいましたが、

なんの、今ではどこにでも転がっている話なのだそうです。

特に奨学金というのが曲者で、普通に返済完了する頃には40歳を過ぎてしまうというのです。

同じ境遇にある男子学生は、中退か風俗のキャッチボーイ、振込詐欺などの犯罪に走る他はないという現状。

女子学生の場合はさらに深刻で、殆ど例外なしに精神を病んでいくと言います。

そして作者は「いま日本は、確実におかしくなってきている」と肌で感じ

「人材以外に資源のない日本がこんな事態になっている現実を、 団塊世代以上の高齢者が無関心でいられるのは不思議でならない」

と警告しています。

そう言われれば身に覚えがあるんじゃないですか?

十数年前を振り返ってみれば、子供の貧困、若者の貧困が顕著になり始めたのは、 デフレが長期化してからでしたよね。

そしてその元凶は言うまでもなく

「改革なくして成長なし!」「痛みを伴う改革を!」「自民党をぶっ潰す!」

絶叫したあの政治詐欺師、みなさんが大好きの小泉純一郎でした。

みなさんも小泉行政改革を熱狂的に支持した一味ではないのですか?

果たして彼の言ったとおり、確かに「改革」しましたし

「痛み」を伴いましたよ、ええ。

しかしそれは日本の福祉行政・文部行政の「改悪」であり、

一方的に国民に強いるばかりの「痛み」だったことは、

現在の惨憺たる体たらくを見ても明らかじゃないですか。

僕の孫である総領娘は、将来京大進学を希望しているだけに、

とても他人事とは思えません。

ともかく「読まなければならない本」と思って読みましたが、

非常に重い責任を感じさせられるとともに、憂鬱な読後感の残る一冊でした。

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